【その5】『DIY』工房の看板
それでは、弟に言われた通り、まずは店の看板を作ることにする。
見たいアニメがあるので、製作時間は1時間と自分を縛って、早速始めていこう!
完成イメージは弟が
「こんな感じでできたらいいなぁ」と送ってきた画像がこれだ…。
まぁとりあえずやってみるか…
まずは材料を並べてみる…。
不器用な私にできるのか…全集中の呼吸をしてみる。
ホームセンターで買ってきた材料
ホワイトウッドの40×15×1800(単位mm)
これを5本。
1本¥160円⁉︎ 高っ⁉︎ 合計¥800でした。
バイト先で譲ってもらった私のポケモン
『ルクシオ』別名:マキタ充電式マルノコ SS 540D 14.4V
こいつをバトルに繰り出すぜ!
まず2本長めに切る…600mmくらい
そして適当に数枚切る…350mmくらい
そして、おもむろに長い方の木を2本並べて
交差するように短い方の木を並べてネジで固定する。
出来たらそのまま塗装!
塗っているのはホームセンターでも売っている
オイルステン塗料(ウォルナット色)
作った板の上に工房の名前をペンキで書こうと思う…。ペンキで文字書くだけだと、イメージと違うくないか?みたいなことを言われかねない。
『GUILDONE』のアルファベット文字なら
木製のものが100均でもあるけど、
8文字×¥100は、ちと痛い。
「ルクシオ!つじぎりだ!」
マルノコで木を半分に切って細い木材にして、
細かく切ったらこのとおり。
なんでも私の思い通りに切ってくれる頼れる相棒。
スプレーで塗装して、板の上にボンドで接着してしまいましょう!
『まずい!40分も経ってる⁉︎』
アニメ見る時間がなくなるので、スパートかけていきましょう!
細かくした木材を「GUILDONE」と並べて完成! よっしゃ、時間内完成!
あとは塗装が乾くのをアニメ見ながら待っていれば、明日には店の看板として飾れるな!
っとと、アニメ……ホーエンハイムとお父様は同一人物なのか⁉︎ 気になる!
完成品はこちら!
なかなかの仕上がりだな…。
店の前に吊るしておくか…。
【その4】工房と次男坊
渋い顔をし続けている梅干三男と、にらめっこすること2分…
ち、しかたない。
したくないが、報酬の話をせざるを得なくなった。報酬が毎月入ること、金額がひとり『¥5000』である事。
三男「やる!すごいやるから¥10000/月にして!」
チョロ蔵は堕ちた…あとは…。
もう1人の弟がドアを開けた。
紹介からだな…。三兄弟の次男、コーヒー屋の亭主をしてる、料理もそこそこうまい!
店の名前、『Debug Coffee Company』
ランチでもやれば儲かるのに、珈琲以外メニューがないときた…
トーストやサンドウィッチを出そうかメニューの選択に迷ってるとか、どうとかなんとか言ってる。
なんか用か?と聞いてきた満面のヒゲ顔に
言うぞ〜、聞くぞ〜
長男「工房やろうと思ってんだけど…」
次男「パンのか?」
『パぁぁンんん!!きたぁぁ!!』
やっぱり工房が何か分かってねぇ!
絶対コイツは酵母と間違えてやがる
あまつさえ私の予想通り食べ物とは…
パン?…っくくく…うい奴め!うい奴めぇぇ!!
コホン、とひとつ咳払い。
無知であることは悪くない…
無知でいることが悪いのだ…
弟の無知に私が今、鞭を入れるのだ!
パン好きの食いしん坊さんの肩を叩き、
「おい、イースト菌くん、工房ってのはな…」私が口を開きかけたとき…
三男「で、武器何作るの?」
次男「酵母だからパン作るんでしょ?ん?
作る…ところ?…酵母が?」
三男「ものづくり、いいねえ」
「攻防とは…たたかう…」
次男「店の名前とか考えてるの?」
その言葉に三男が目をキラキラさせながら言った。
三男『外国人がさぁ、モノ作った時に「ダンッ!」
とか言うじゃん⁉︎ 』
三男『あの"DONE"をもじって“ドーン“にしない?「できたぁ!」みたいな感じ、良くね?』
そんなキラキラしてる弟をどの世界の兄貴達が
止められようか…。工房ドーンの誕生の瞬間だった…。
長男「じ…じゃあ工房ドーンで…」
ゴールした後、突然次男が走り出す。
次男「ギルドの工房ドーンをかけてさぁ、
【GUILD】+【DONE】で【GUILDONE】
ギルドーンって良くね?」
弟達の笑顔の眩しさにクラクラしてもう、
世界なんてどうでも良くなった…。
そして、この後、工房の名前は『GUILDONE』と名乗ることになる。
もうお腹いっぱいで、眩しさにクラクラしながら、キラキラ達の会話に相槌を適当に打っていたら、店の看板を私が作ることになっていた…。
【その3】工房と三男坊
『工房やってやるぜっ!』
と、言ってはみたものの、工房って何ぞ?
提案してくださったあの碧眼の美女の名前すら
聞いていないのに、工房とは?などと聞けるわけがない。
だが大丈夫、私の兄弟達なら知ってるだろう。
ちょっとググって調べてから、あいつらで答え合わせしてやろう…。
【攻防】攻めや守りが繰り広げられる戦い。 攻め、そして守る戦。 攻めたり戦ったりする合戦
なるほど…戦う系か…戦うの?
少し違う気もするがまぁいい…。
突然部屋のドアが開く、
ドガァンッ!!
呼びつけておいた、弟が来た。あいかわらずドアの開け方を知らんらしい…。
紹介しておこう、我ら三兄弟の三男、
町外れで働いている家具職人だ。
まだ見習いだがものづくりは得意そうだから、
戦う準備として武器や盾を作ってもらおう。
最近はなぜかプログラマーに憧れてるらしい…
パソコンをいじってるみたいだ…。知らんけど…。
カールさんからの報酬は¥40000/月だから
三兄弟でローテーションしてやりくりすれば
私¥20000、弟2人で¥20000で良いかんじに
拠点管理できそうだ…。
川辺で知らない人に声をかけられ、ギルドというものに誘われて、工房をやることになった…。
事情の説明と、工房経営を一緒にやらないかと誘ったら、弟が男梅みたいな顔でこちらを見ている。
『工房って、武器とか作るのか? 何と戦う気だ?』と聞かれた。
さすが、私が愛してやまない弟よ!工房がなんたるかを分かっている!
たしかに、戦うことを生業としていくに、『何と戦うのか?』これは大切なことだ!
カールさん達はヨーロッパに行くと言っていたから、帰ってきたら聞いてみよう。
残りの弟はまだ来ないのか?
あいつはきっと「工房」を食べ物か何かと思ってるだろう……可愛い奴め、叱ってやろう。
【その2】工房を開業する
私は唐突にギルドメンバーとなった。
拠点の立ち上げと、管理においてカールさんは
私のポンコツスペックを見抜き、
あと3人までギルドに入れてもいいから、協力して管理して欲しいと言ってくれた。
もし、拠点を『店』として管理するなら、全面的にバックアップしてくれるし、いろんな情報も提供してくれるという…。
いいやつだ…モテるんだろうな…
誇れることではないが、私に友人はいない!
川原でひとり、空を呑み込もうとしていた男には助けてくれる者はいない。
カールの仲間の3人のうちのひとりの美しい碧眼の女性が、工房をやってみたら?と提案した…。 おふぅ、美しい声だ…。
その刹那、私は工房を作ることを決意した。
ふいに、友人はいないが、私には兄弟がいることを思い出した。